睡眠不足によってもたらされる心と体への影響とは?

熟睡できなかった翌朝は、眠くて起きるのが辛いものです。しかしそれだけでなく、睡眠不足は私たちの心と体へ実に多くの影響を及ぼすことが分かっています。命が危ぶまれるようなリスクや多くの慢性疾患などを引き起こしかねないとも言われる睡眠不足。健康面・生活面においてどのような影響があるのか解説します。

健康面への5つの影響

1.肌トラブル
睡眠不足の影響が真っ先に現れるのは、目の下のクマや肌荒れです。新しい細胞の生成を促進する「成長ホルモン」は睡眠中にのみ分泌されることを知っていますか?睡眠不足の状態では成長ホルモンが十分に分泌されず、肌の再生サイクルが滞るため、肌荒れを引き起こします。

2.体重増加
呼吸や体温調節、消化器官・心臓等内臓の働きなど、人の生命維持のために意識せずとも生理的に行われているのが「基礎代謝」という活動です。この基礎代謝で使うエネルギー量(基礎代謝量)は人が1日に摂取する総カロリーの約70%にもなると言われ、新陳代謝がうまく行われると基礎代謝量がさらに増えることが分かっています。睡眠不足は新陳代謝を促す成長ホルモン分泌を阻害しますので、太りやすくなるという訳です。

3.免疫力低下
睡眠中の成長ホルモン分泌によって、傷ついた細胞の修復や新しい細胞の生成だけでなく、体外からの侵入者に対抗する防御機能の整備なども行われています。睡眠不足は抗体生成を阻害し、次第に免疫システムがうまく働かなくなっていきます。

4.血圧上昇
睡眠不足の状態は「脳が活動している時間が長い」ということになります。通常睡眠中には自律神経の1つである副交感神経が優位になり、血圧は下がった状態を保ちます。寝不足で脳が起きている時間が長いともう一つの交感神経が優位な状態となり、脳を動かすためにも血流を促そうと血圧が上がりやすくなってしまいます。

5.命に関わる病気になる可能性もあり
良質な睡眠が十分に取れないと、睡眠中に行われるはずの体のメンテナンスがきちんと行われず、さまざまな病気を引き起こす原因となります。睡眠不足により発症しやすい病気は記憶障害やアトピー性皮膚炎、便秘などたくさんありますが、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞など命に関わるものあります。