睡眠負債とは?
近年、日本人の「睡眠負債」が問題化されてきています。負債というからには良くないイメージがあることは想像できますが、具体的にはどんなものなのか知っていますか。睡眠負債の実体や溜まっているメカニズム、そして体へどんな影響が現れるのか解説します。
睡眠負債ってどういうものなの?
「睡眠負債」とは毎日のちょっとした睡眠不足が徐々に溜まっていき、まるで借金のように雪だるま式に積み重なり増えていくことです。以前までは単純に「睡眠不足」と呼ばれていましたが、心身へさまざまな悪影響を及ぼすことが分かってきており、「睡眠負債」という呼ばれ方をするようになりました。
睡眠負債が溜まっていくメカニズム
私たち人間にとっての適切な睡眠時間は7時間前後だというお話をしましたが、仕事が忙しくて5時間睡眠という人もいます。それでも毎日問題なく働けていると思っていても、実はこれでは睡眠が2時間足りていない状態なのです。休息のためにも眠りが必要な「大脳」を「脳幹」が眠らせようと指示を出すことで人間は眠くなるのですが、人間はその指示を意志で無視することが出来るため睡眠不足という状態になりやすいと言われています。日々の不足分が蓄積されていき、気が付いた時には負債のように睡眠負債が溜まっていくのです。
睡眠負債のメカニズムを参照:世界睡眠会議
日本人の睡眠負債事情はどんな感じなの?
日本人に睡眠負債が増加中
厚生労働省が平成29年11月に実施した「国民栄養・健康調査」によると、睡眠時間が6時間未満の人は働き盛り、子育て世代とも言える40歳代の割合が男女共に高く、男性では48.5%、女性では42.1%だということです。また、直近1ヶ月間で睡眠がしっかり取れていないと感じる人の割合も年々増えており、今回の調査では全体の20.2%に及んでいることから、日本人に睡眠負債が増加してきていると言えます。
日本人の睡眠時間について参照:厚生労働省 平成29年「国民健康・栄養調査」